C90に参加するので宣伝。

どうもお久しぶりですしーざーです。え、最近どうだって? 仕事が忙しくて死にそうです。最近家に帰って寝るだけの生活なので正直自分の時間がほしい感じです。

 ギリギリになってしまいましたが8/14(三日目) コミケ90に参加します 。
スペースはハ07a MOZA MOZAです。
詳細はWEBカタログを
https://webcatalog-free.circle.ms/Circle/12705349

 コミケ合わせの新刊はありませんが、近刊の『あるべき時、あるべき場所』と既刊を持って行きます。なかなかの力作ぞろいですので是非。
 なお、当日は獏八重樫さんたちのサークル『S.o.N』や高柳総一郎さんが参加する文芸サークル『かげふみ同好会』なども参加していますので、そちらにも足を運んでやってください。特に獏さんのところの『シルエット・クライ』は超オススメですぜ!


 今回は特別に『あるべき時、あるべき場所で』の内容紹介をしていこうかと思います。この本は、同じプロットを使っていろいろな人が作品を書いたらどんなものが出来上がるか? というアプローチで編纂された短編小説集です。六名の参加による珠玉の作品が詰まっています。

東京行きのぞみ最終便 京都発二十一時三十七分
高柳総一郎

今年、四十になる菊田は役者として燻っていた。久しぶりのドラマ出演であった時代劇も、共演の大スターと馬が合わず降板させられてしまう。

彼には、ささやかながら科学で解明できない超能力を持っていたが、特別優れている特殊能力という訳でもなければ、他のことに役に立つものではなかった。

降板を申し付けられたその日のうちに終電の新幹線に乗っていると、一人の小綺麗な紳士が現れて「お仕事の話をしに参ったんです……」一体この男の目的は何なのか?


メアードを探せ
弥生ひつじ

僕は仕事から開放されて帰路についていた。電車から降り、街角のタバコ屋に近づいてみると『宝くじ販売中』という文字が目に入った。中に入ると怪しげなオーラを醸すサングラスをかけたおじさんがいた。僕は宝くじを連番で買ってお釣りを受け取ると、「君、ちょっと待ちたまえ」と呼び止められた。

おじさんは言う「君にはメアードを発掘する才能がある。俺たちの仲間にならないか?」


流れ、落日の果て
志津

〈お目覚めですか、ミスター〉子供の声をベースにした合成音声が頭上に響く。こちらを見下ろすモノアイ。ロボット。名はボトム。身長は十歳くらいだろうか。男は荒野に倒れていたのを彼によって発見されたらしい。ここは危険区域にある研究所だった。そこでウィルソンという研究所の所長から、ここで勤務しないかと話を持ちかけられるも男はそれを断り荒野へと向かう。そんな中研究所が異能を持つ先住民の末裔――「魔法使い」に襲撃され、ボトムに再度命を救われる。彼は煙の上がる研究所をあとにすると危険区域から国境へ向かい始めた。


夜が明けるまで
爆八重樫

藤堂ユウシロウと妹のイオリは街を転々としていた。イオリには特殊な〈治癒〉の能力があった。そのせいで彼女はその能力に群がる者共から追われる身となっていたのだ。そんなある日、二人の住むアパートに来客がやってきた。イオリと同じくらいの歳の少女――紫芝ミズヒ。彼女も水費と同じ能力者だった。ミズヒはイオリに訴えかける「あんたの力を貸してもらえないか頼みに来たんだ。――『癒しの力』を貸して欲しい」と。


愚者の炎にくちづけを
Q式

炎はいつも体の内側からやってくる。鮫島朱空(さめじましゅら)は〈念動発火――パイロキネシス〉の異能保有者だった。ある日その能力を使って火事を起こしていると「綺麗ね――あれはいい炎だ」という甘ったるくて官能的な声が背後から聞こえてきた。

目の前に現れたのは、黒いトレンチコート姿の女――日向水蜜(ひむかいみなみつ)彼女は魂ごと全身を蕩けさせてしまいそうな絶世の美女だった。そして彼女はつぶやく「鮫島朱空くん。わたし、あなたを誘惑しにきたの」と……


あるべき時、あるべき場所で
ロナルド 始澤

その日は、吸い込まれるような青い夜だった。俺は仕事を終えて、大通りの歩道橋を歩いていた。急に突き刺さるような視線。カラスの鳴き声。そこには魔女のような黒いドレスを着た長い髪の少女が立っていた。俺は彼女に話しかけ、二言三言、言葉を交わした。彼女は俺に用があるようだったが引き止めることしなかった。最後に「これが運命ならば、何をしなくても、また引き寄せられる。また会いましょう」そう言って彼女は消えた。これからきっと何かが起こる――いいことか悪いことなのかはわからないが、そんな予感がした。

ぜひコミケ当日はMOZA MOZAへ、遊びに来てください。お待ちしております。