チャーリー・ブラウン、なぜなんだい?

チャーリー・ブラウンスヌーピーでおなじみのマンガ『PEANUTS』の主人公。私はとても大好きというか、滅茶苦茶共感してしまうのである。と言うか、彼は俺の性格そのものなのである。
 自信が無くて、周りからもダメで残念なヤツ扱い。おまけに、四足歩行だった飼い犬のビーグル犬スヌーピーは突然二足歩行になる始末。スヌーピーには毎日エサを持ってきてくれる丸頭の男の子でしかない。でもちゃんと話してみると色々なことをちゃんと考えているすごくいいヤツで頭も悪くはない。赤毛の女の子に思いを寄せるも、話しかけることの出来ないヘタレだけど、時には大人顔負けの意見や哲学者のような考え方もする。
 いつも *タメイキ* ばかりだけれど、そこが愛おしくってってたまらない。
 何で突然、そんなことをいいはじめたのかって? コイツを本屋で見つけて購入したからさ。


とりあえず、記事と原作のコミックスも載っていて、ぜいたくな内容でした。色々な人のエッセイも載っていて読み物としてもお得感のある一冊でした。

自分は、原作の『PEANUTS』が大好きで、チャーリー・ブラウン的思考を愛する、チャーリー・ブラウン主義者でもある。自分はグッズよりも、評論やエッセイ、関連書籍を楽しむ人間である。
 PEANUTSの面白さは原作にあると思っている、子供たちの世界でありながら、大人顔負けの毒と皮肉が混じっている。それでいて、人間の本質的な悩みなんかを突いてくる。

ある日チャーリーは、ルーシーと言う少女に打ち明ける。
「ぼく退屈な奴だと思われるのがすごく怖いんだ…」
 彼女はこういった
「たった今は抜きにして?」
 きついツッコミである。ルーシーは、何かにつけ突っかからないといられないのである。思いやりがないというか、デリカシーが無いというか……。でも現実はそんなもんである。漫画『PEANUTS』に出てくるキャラクターは、カワイイ外見に似合わずリアルなのである。一つ原作から一つ引用してみよう。


チャーリー:今日はいい一日だった。一つもマヌケな事をしなかった。
ルーシー:何か気のきいたことはしたわけ?
(1981年11月23日)

原作は、こんな感じである。ほかにも、『安心毛布(セキュリティ・ブランケット)』が心理学用語にまでなった毛布中毒のライナスやベートーベン信者のライナス。自分勝手でおしゃま「誰が決めたの?」、「関係ないでしょ?」なんて言葉を口にして相手を煙に巻く妹のサリー。どこかにいそうなキャラクターたちが、楽しくも、時にはっとさせらる鋭さを見せる。
 そんな強烈な個性の中でも、自分らしさを失わない優しい男の子チャーリー・ブラウン。文字も自分の目の前にいたら、こう言うだろう。

「いいやつだね、チャーリー・ブラウン!」