局部的な表現規制のアレについて。

タイトルがすげえ遠まわし。

まあ、コミケが近くなってきた為かネット上では、成人向け同人誌の局部修正の話題が散見されるようになりました。

なぜ、いまさらこんなことが盛り上がっているのかと言うと、コミックマーケット準備会が出した注意喚起の文章が掲載されたからです。

なぜこんなことになったかと言うと、元々、今まで警察が局部修正に関して、明確な基準も無く黙認してきたエロマンガ雑誌に対し、突然、前触れも無しに手のひら返ししたことが発端。
男性にとってのポルノメディアっていうものは、生理的な関係上必要不可欠であるし、長い間付き合っていくわけなんです。女性の人たちのエロ表現の付き合い方は解らないのでモノの片側の面からでしか見ることはできないのが残念と言えば残念。

後天的に、性的なものに対する嫌悪感を植え付けられない限りは男性はポルノメディアを多かれ少なかれ楽しみます。

でも、こういうものが市場として成立するってことは、それだけ必要とされていると言う意味でもあるし、困っている人がいるわけですから嫌悪したところで問題の本質は解決されないんです。エロの規制だって行き着くところ行き着けばイスラム世界の女性が肌を露出されるだけで卑猥っていうレベルまで持っていけますし。我々から見れば人権侵害なこともわいせつ規制で正当化されるわけでるから。

下手したら恋愛小説だって存在しない世界。男と女が見つめあうだけでわいせつ物ってのはフィクションとしたら面白いかもしれないけど、自分は嫌だ。

性的なモノへの嫌悪って、どこからくるもんなんでしょう? 嫉妬? 不満? 本能?

とはいえエロって規制してどうなるわけでもないんですよね実際問題。キツイ規制は害にしかならないのは歴史が証明しているわけで。ここ百年程度のでも禁酒法やら何やら見ても、結局悪いやつが儲けて、犯罪組織やら反社会的組織を肥え太らしてしまうのがオチなわけで……。

規制ってコントロール不能に陥った時の最後の手段で、恒久的にやってはいけないモノなんです。長年放置され荒廃したスラム街とかの場合でも、犯罪者や犯罪因子締め出した後、一帯の清掃活動や再開発をしてを治安が安定したら、また国民に開放するように。

住民自体が手を持て余してしまったがために、最終的にに国による強権で、結果的に治安を元の状態に戻す為のプロセスが規制ですから。

ただ、エロの場合、女性に対する搾取、暴力、反社会的勢力の資金源云々と言う問題が出て、結果的に治安悪化、社会不安の種になるという点で、有る程度のレベルまでは、国や警察なんかが目を光らせるべき。

極論言えば、反社会勢力を潰す効果的な方法は、麻薬と売春を国で管理して、全国統一価格にして提供すれば、悪い人の資金源に打撃を喰らわせられるから、そっち管理した方がいいんじゃね? となるわけですが。まあ、無理でしょうね。

結局規制は権力の乱用の紙一重なわけです。

二次元表現の場合、性的なコンテンツを扱っているわりに、あまり反社会的組織は関わっていないと言う点では、社会学的に面白い気はしますが今回のテーマではないので省略。でも、どんな表現であれ、表現者としては、何か意図があって表現しているんだからそれを尊重しないと、周り廻って最後は自分の身に行きつくだけ。

一応、生物として生きていくには生殖行動が本能的にあるわけだし、基本、性的なものに対して動物は肉体的、心理的に好意的ではあるはずなんですけどね。もし苦痛であれば、種として絶える運命にしかありえませんから。

規制規制と叫ぶ前に、性的なコンテンツとの上手な付き合い方を、社会として考えた方がいい。人が異性に欲情するのは自然な反応なわけだし、ただ男性にとっては衝動的な感覚だし、それをどうコントロールするか、どう付き合っていくかを考えなければ建設的ではないわけです。

ただ、そういうものを見たくない、見せたくないって感情も尊重しなくてはならない。完全な理解はできないけど、それぞれの立場に立って考えないと、理解は進まない。

一応、創作ジャンルで健全と言われる本を作っている側ではありますが、こっちだって何がきっかけで、いつケチがつくかわかりません。人間どんな物事だってケチをつけようとすればケチをつけられる。

必要なのは、自分以外の他人に対し、危害を加えない限りは寛容な態度で接する事。

自分の気に喰わないモノを排除したり、自分にとって、わけのわからないモノを気持ち悪がったりしている人に、問いかけたいことがある。

一度でも、自分の考えが間違っているかもしれないと思ったことはあるかい?

今回、言いたいことはそれだけさ。

多様性バンザイ!