ぶ、文章系同人だって、真面目にやるとお金はかかるんだからね!

数日前、フォントの契約更新のご案内なんて封筒が届いたので、MORISAWA PASSPORTの契約更新パックを買いました。定価五万円の所、Amazonで10%offで 約 \4,5000-也。一年契約で、大量のフォント使えるのはいいけど、懐が寂しくなりますね。



フォントを完全に使いこなすにはAdobe InDesignとかも必要なので一緒に導入したりすると12万円位飛ぶので死ねますよ。文章系同人もプロユースのソフトに一般人でも手が届くようになってコスト増です。

うちも最初のうちはテキストエディターで組んだ原稿をレーザプリンターで印刷→直接入稿、テキストエディター→PDF入稿って感じで段階踏みましたね。タイミングって大事です。

以前もお話しましたが、自分がInDesignを使うようになったのはテキストエディターやワープロソフトでデータ入稿した際、原因不明のフォント埋め込み失敗で入稿トラブル起こし、それがトラウマになり、結果としてリスク回避と同人誌制作の際の不満解消の為導入に踏み切切ったという経緯があります。

話を元に戻しまして、MORISAWA PASSPORTの話を。これは簡単に言うと、フォントベンダーから出てる、年間契約のフォント使い放題パックです。

他のフォントベンダーさんでもタイプバンクさん、フォントワークスさんとかにも似たようなパックはあります。個人的には最大手で、クラシックな明朝体が多く含まれているのでモリサワフォントを選択しています。

MS明朝とか平成明朝とか横組みには向いてるけど、偏平なので縦組みだとやっぱりなんだかな、ってことが多いんで。フォント一つとっても、本の印象って代わるもので、秀英体や築地体系統の流れを組むシュッとした印象の明朝体を愛用しています

文章系サークルも真面目にやると金がかかります。最初のうちはWordで原稿作って、PDF化、レーザプリンター使って本文入稿で十分ですが、慣れてくるといろいろ欲が出てくるんですよね。良くも悪くも自己満の世界だから、段々金でどうにかなるような問題は、金で解決するようになってくるんです。

書体、組版、ページ割り付け、表紙デザイン、用紙……etc. そう言ったものが自分で出来るってのが、何よりも替え難い。小説書くだけじゃなくて、本をデザインするのも、結構面白いんですよ。自分の書いた小説を、それに合うように本のデザインする。これぞ同人誌の醍醐味。


今まで作った本も、本文用紙とかをいろいろ試しています。最初はただの白上質紙、次は書籍用紙、その次はコミック紙、一番最近のはモンテシオン。

ここ最近のこだわりとして、なるべく紙質の良さを犠牲にしても、軽さと厚みを優先してます厚みがあると、背表紙が栄える。あとは、なるべくコシの少ないめくりやすい紙が好みですね。なるべく文章に集中させてあげたいという考えでやってます。

毎回、印刷所の本文用紙見本を触りながら今回はどんな装丁にしようって、小説書きながら考えるのって楽しいんです。本を想像しながら書くとモチベーションが上がって、ハイになれます。


ついでに言うと、私の本は洋書のペーパーバック(Paperback: 紙表紙の軽装本)を結構意識してます。下の画像のこんなタイプの本です。結構、文字の配置とかブックデザイン的にも勉強になるんで、大きな本屋行くと必ず洋書売り場見て、気に入ったデザインの本とか読めないのに買ったりします。値段はクオリティのわりに高い($7.99 - $14.99 約800円から1500円程度)



ペーパーバックを初めて見た時衝撃受けたんですよね、分厚くて、軽くて、紙質が滅茶苦茶悪い(用紙が学校プリントでおなじみ藁半紙)。本てこんなシンプルでいいんだ……ってのが、気取ってなくてオシャレに見えたんですよ、普通のTシャツとジーンズだけの外国人が何故かかっこよく見えるのと同じようなモンです。半分勘違いなんだけどね。

でも、その読み捨て前提の気軽さシンプルさが、自分の本に対する意識を変えて、同人誌にもペーパーバックの美学を自分の本に持ち込んでいます。

そのかわり、あっちはハードカバーは値段相応($25-30位。約2,500円から3,000円)のクオリティ。紙質もいいし頑丈。値段とクオリティが比例する感じですね。



あっちは、小説でも何でも本は分厚いですね。いいか悪いかは別として。そういう点では読書文化が違うなとつくづく思う。ただ、あっちは本を読む人と読まない人の差も激しいし、本自体が一般的な趣味というより、ちゃんと教育を受けた人の趣味的な意識もあるのかもしれない。

日本の本は、紙質はいいのだが(大量生産のおかげて上質紙が一番安い国ですから)、その紙質の為に軽さを犠牲にしている感じがする。何というか持っていて、ずっしり来るの多い。でも最近は本文用紙も嵩高(かさだか)紙と呼ばれる厚みがあって軽い本文用紙も増えてきて、新潮クレストブックスとかすっきりした感じの本も出てきているので、これからどうなっていくか。電書がこれからどうなるかでも変わりそうだから先が読めない感じですね。

本も、好事家の趣味になっていくのでしょうかね? さすがに本が同人誌だけの世界にはならないとは思いますけどね。大量販売からPOD(プリント・オン・デマンド=要求に応じて印刷:一冊単位のプリントアウト製本のようなもの)化するのですかね? PODだと、さすがにハードカバーで小ロットってのはないよな……。コストがえげつなさそう。

自分は、いつかハードカバーで同人誌出したいんですよね。のA5~菊版くらいの大きさで300ページ位の長さとか。ある程度、大まかな皮算用してますw

ハードカバーの芯紙の部分を硬くて重いボール紙ではなく地券(ちけん)紙を使い軽めにして、黒もしくはダークブルーかダークグリーン系の色のクロス装。背表紙は丸背。そして、タイトルだけ箔押ししただけのシンプルで高級そうな見た目のハードカバーにして。本文は嵩高紙にすることで、ハードカバーのわりにすっきりとした重さにしたいなって感じで。

その上にイラストレーターさんに絵を頼んで、ダストジャケット(日本語でいう所のいわゆるソフトカバー、本来の用途は本のデザイン性を高める為ではなく、あくまでホコリよけだった為この名称)も作って巻いて……っていうのに憧れます。

まあ、資金的にも普通の同人誌の何倍もかかるので、夢のまた夢なんだけど採算取れるようになったらやってみたい。

え、そんな事よりも原稿かけ? アッハイ。