【感想】たまこラブストーリー

私は叫びたい
ピューリファイ!!(Purify:浄化)


英語的には I purified my mindだろうけど、日本語のカタカナ語だと思ってください。まあ、言いたいことはこれを見て「私は浄化されました」という事です、この文面だと怪しい宗教団体の信者みたいですね。

映画館の中で、一人百面相レベルの喜怒哀楽の表情を出してました。異性には恵まれたことがない、汚れた自分のドロドロした心が、きれいになっていく感じがしましたよ。この映画は。近年見たアニメ作品の中で、上位の出来だとおもいます。

ストーリー語ったり、キャラクターについて長々と語ってもいいのですが、そういうのは劇場で味わってほしいので、シンプルな感想を語ろう。

基本的にメインプロットはシンプルかつ頑丈。まあ青春物のラブストーリーといえば基本のアレで、結末がグッドかバットか曖昧かのどれかだしね。でもこの作品のすごい所は、ちゃんと煮詰めて作ってあって、青春映画としても上質な出来となっている所。

案外こういうのって、シンプルゆえに作り手が色気出し過ぎて、同質な作品や類型的な作風が無いのに、なぜかありがち(どこかで見たような感じでつまんない)って、感じになりやすいんですけど、これは基礎からちゃんと組み立てているから別に特別なことやってないのに『たまこラブストーリー』というオリジナリティが出てるんです。

さらに言えば、キャラクターのとる行動も、起こるイベントも、作リものではなくて、日常の延長線上から発展して起っているから、ストーリー上の無駄もないし、破綻も少ない。でも優等生的な作品という訳でもない。

だからこそ、ストーリーの中のキャラクターたちの感情の揺れがダイレクトに伝わってくる。そして、腹持ちがいいとでも言いましょうか、ストーリーの自体ボリュームはそうでもないのに、観終ったあとに感じる十分な満足感。

映画としても優秀ですよ。初見で感じるエネルギーという意味では。とりあえず、一本の映画として完成されているので、アニメシリーズ『たまこまーけっと』を見ないでも楽しめると思います。アニメシリーズを、流し見程度に見ておくとキャラの立体感は増します。ここら辺はお好みでと言ったところでしょうか。

日常的なものをモチーフに創作している方は、これは必見です。これを分解していけば、地に足がついている感じを出すにはどういう事をすればいいかという教科書がわりにもなるとおもいます。

とりあえず見ろ! 見ないと損する。個人的には大好きです。本当にオススメ。