クリエイティブとは何か

クリエイティブという言葉を聞くと上っ面だけの、耳触りのいい言葉に思えて、なんというか醒めてしまう。気にすることではないんだろうけど、横文字系の言葉は、必要なときは使うけどあまり好きではない。創造性なんて言葉もあるけど、確かにクリエイティブとはニュアンスというか概念にズレが出てしまうんだけどね。

クリエイティブというものは、頭に浮かんだアイディアから、実物を作ったり、具体化して作品、制作物etc...と言われるものに落とし込む。――一種のスキルの様なものだと思っている。"Create" つまり『創る』という言葉から来ているわけだから、形にしてナンボの世界だと思う。

アイディアマンをクリエイティブな人という事も多いが、その意見には自分は賛同しない。優れたアイディアなんて、世の中に当たり前に転がっているし、何かしら作っている人じゃなくても、何かしら思いつく。それを実現できない人はクリエイティブと呼ばない。アイディアはあくまでも素材。料理でいう所の材料だその場所場所で、特産品の様な新鮮なアイディアは大量にある。

どんなにアイディアがよくても使いこなせれば、ないも同然だ。創作物だったら、他人に理解できるような形にしなければ意味はない。(芸術のようなものでも、特定の層のアプローチが必要なように)。

使いこなしたり形に上手くできなかったり失敗しても、完全に意味が無いと言っちゃうと語弊があるかもしれない。純度の高いノウハウや、プロセスと言った経験しない事にはなかなか低に入れられない物を手に入れたりするので。ただ、周囲への波及効果とかに関しては、やっぱり具体化しない事にはどうにもならないのでそういう点では、形にしないと意味はないと思っている。

創作に関しては、寝かすのも大事だ、五年、十年単位で。出来ないと思ったら、ポイするんじゃくて、実現のためには何が必要なのかを考えてみる。お金なのか時間なのかスキルなのか。足りないものがわかるなら、それが揃う時期を待つ(ただし、まだ創作の世界に足を踏み入れてない奴は失敗するの前提で足を踏み入れるのが先だ)。

創作の大敵は焦りや他人と比較しすぎてしまう事だ。ライバルとの化学反応が大切だって? アホか、各々が自分との戦いをしている中で、他人を気にする暇があるか! そんな暇あるなら作れ、体や手を動かせ!!

まあ、そう言ってもなかなかできないのが常なんですけれどね。

あとはコミュニケーション能力。最近メディアで騒がれているリア充的な上っ面な過剰アピール的なやつじゃねえぞ。誤解されると困るから説明するけど、自分が考えているコミュニケーション能力っていうのはアピール以上に、『周囲に当たり前に溶け込むこと』だ。そして、気づいた時にはなくてはならない存在になっているような。まあ、これに関しては自分がアピール力が異様に高い人を信用していないってのもあるんだけどね(笑)

なんというか自分のまわりで、面白いことをやっている人ってどこか他人へのアピール力が弱いんだ。でも実際に、創作物や技術を目にすると人を魅了させる。余計なアピールは必要ないってことなのかもしれないけど。今そこにあるものが、ただ素晴らしいって感じがするんだ。

まあ、上っ面も大事よ。生きていく上では、人にお伺いを立てたり、感情をコントロールしたり、させたり。表情を見て更に裏をよんだり言うのが大切なんだ。どんなに合理的に見えても、この世界を動かしているのは人間なんだし。まあ、だからちょっとした、切っ掛けレベルのアピールだけは押さえられれば十分だと思う。

そういう点を考えると、偏見入っちゃうどアピールが得意な奴って、空気を掴むのは美味いけど、実際の作業とか現場でのパフォーマンスが高いかというと微妙な気がする。それよりも、個人的に評価するのは、どうなのかなって疑問点が残る。まあ、世の中には完璧超人レベルのモノホンの天才がいますんで例外もあるんですがね。

世の中、案外求められているレベルは高くない。でも簡単ではない。まあでも、創作行為は何年も続けていくと面白みが出てきてやめられなくなる。最初は旨味も薄くてきついけど。

世の中の人が思っているクリエイティブと実際のクリエイティブっていうものはイメージと現実にかなりの乖離があるように思う。みんな思っているより大したことはしてないよ。