【エッセイ】人間は孤独

人間は孤独である。極論かも知れないが自分はそう思っている。だって、誰一人完全に同じ人間がいるわけでもないし、人生の歩みだって一人一人違う。だから完全な理解なんかあり得ないし、同じような体験をしていないのに共感してもらおうというのはどこか図々しい感じがする。

個人的に感じることだが、経験したことのないことを事実と理屈だけで語ろうとすると、ドライになりすぎて、思いやりという奴が欠けてしまうと思う。さらに言えば、コツや要点と言った意外な盲点に気付けない。例を挙げれば、介護したことのない人の介護アドバイス、結婚したことのない結婚相談員、現場の実務経験がないコンサルタント、金持ちの世界を体験したことのない貧乏人もしくは貧乏の世界を経験したことのない金持ち……etc. 挙げればキリがない。

インターネットでも現実でも、みんな案外個々の経験でしかものを語れないわけで、結構ぶつかり合っている。そういった点では齟齬が出るのはどうしようもないものなんだと思う。立場も違えば、性格も違う、環境なんか言わずもがな。理屈じゃどうにもならない事もある。

でも面白いことに、人はなんやかんやで出会いを求めてしまう気がする。誰かと話をするのは楽しいし、聞くのも楽しい。人間千差万別だから、相性もあって苦手ないと、合わない人もそれなりにいるけど、一〇〇〇人に一人くらいは出会った瞬間に気心の知れた友人の様になれちゃう人もいる。

社会に出てから、めっきり他人と会う機会は減ってしまったが、自分もなんやかんやで色々な人と知り合いたいなと思う。わりかし孤独感には慣れているが、それでもどこかにいる気の合うかもしれない人間に思いを馳せてしまう位には自分は孤独である。

コミュ障のくせして、他人と話をするのは結構好きだったりします。でも基本スタイルは今も『ぼっち』ですけど。