オススメ本の紹介『文字の組み方 組版/見てわかる新常識』

今日ご紹介するのは、大熊 肇『文字の組み方 組版/見てわかる新常識』(誠文堂新光社 2010)手に入れたのはちょうど大学卒業前で、大学最寄駅の近くの書店にバンと平積みしてあってパラパラめくった瞬間惚れ込みました。同人誌作るようになってDTP全般を自分でやるようになってからは、この本と、InDesignのリファレンスブックが今でも役に立っています。


この本のいいところは、基本的な事なんだけれど、書道の手書きの書体と関連付けてあったり、和文組版、欧文組版の最低限の基礎は網羅されているってこと。これが自分にとって何よりも魅力に感じました。

そして、具体例がわかりやすい。専門的に掘り下げていくと物足りないんだけど、ビギナーならこれで十分カバーできるレベルです。


個人的に、これ買いだと思ったのは上の字体がおかしいというページ。ちょうど大学時代、文学部日本語学専攻で文字に興味を持っていたし、書道の授業も一年次に楷書、二年次に行書、隷書なんかの授業取ってたり。日本文学で崩し字の原文読まされたりしていたので、「あ、これそう言うことちゃんと書いてある」という謎の安心感があり、更に同人でInDesignをいじるようになっていたので、こいつと手に入れました。



ページレイアウトソフトの知識がなくても、パラパラめくるだけで具体的な組版のルールがわかるというのは、DTPも文字組みも何も知らない、当時の自分には痒いところに手が届く感じで凄く役立ちましたし、○(良い)×(駄目)△(間違いではないがオススメしない)と言ったようなことが、実際の組版を使って説明してあるという意味ですごいわかりやすく、更にこの本で文字組に関する用語も実際に覚えた感じです。

英文組版に関してもドロップキャップ、スモールキャップなんて言葉を覚えられ、自分の同人誌デザインで色々役立ってます。

定価は2,200円と割と手に取りやすいお値段なんだけど、問題は、品切れ重版未定(言い方変えれば、ほぼ絶版)なので、欲しい方はAmazonマーケットプレイスで中古品を手に入れるか、大型書店の在庫(まだ一部で残っている)などで頑張って手に入れてください。重版かからなくても、電子書籍版だけでもいいので出してくれればありがたいんですがね。

個人的にかなりの良書だと思うので、文章系同人をやる人は駆け出しのDTPデザイナーさんとかは目を通していて損はないんじゃないかな? マジおすすめ!