役に立たない文章の書き方

文章というのは、好きな、もしくは読みやすい人の『文章構造』だけを真似すれば、ある程度読めるものが書けちゃうものである。もちろん文章丸々をパクるのは駄目だが、構造なら問題はない。流れと言ってもいい。世の中の大体の文章構造と言うのは
  1. 前置き(イントロダクション)
  2. 本論(自分が言いたいこと)
  3. 結論(終わりの言葉や理由のまとめ)
大体こんな感じである(起承転結の四段構成なんかもあるが、結局のところトピックの分け方の基準の違いであって、どこに力点を置くかの違いでしかない)。ただ個々で違うのは摑み(前置き)に割く分量だったり切り口や本論から結論までのたたみ方といったところだ。そこら辺の巧みさが個性となる。受け入れられやすい傾向がある。


大切なのは『書き過ぎない』ということだ。文章が下手とか読みづらいというのは、大半が『何かが過剰』で『何かが不足している』ということがほとんどで、要はバランスを欠いているということだ。長ったらしい文章は、『ダルい』とか『読むのが面倒くさい』といった感情を呼び寄せやすいし、短ければ短いほど『物足りない』という感情を呼び寄せる。

ただし、日本語の文章構造、漢字と仮名の組み合わせの表記といった点で多言語より情報量が多く表記できヴィジュアル寄りなので、文章は短いほうがスマートである。アルファベットなどの表音文字は意味より音を表記する面が強いので、話し言葉の再現を再現するという側面もあり、一文が長くてもそこまで気にならない。

文章で大切なことは、【主語(誰が)+述語(何をした)】がちゃんとつながっていること。そして、常用外の難しい言葉や漢字は特別な理由がない限り使わないこと。ルビを振っても辞書を引かない限り理解できないような言葉の大半はアウトである(読者層をコントロールしたい場合はまた別)

それと説明しすぎない。『読者はバカだろうから説明してやろう』と思うような言葉は、説明しなくていいし、『逆にこれくらいはだれでも知っている』と思う言葉は説明しておいて損はない。読者は思っているほどバカではないが、書く側が当たり前と思っている事ほどみんな知らないのが普通である。


上手い下手は別として、こういったことに気をつければ、そこそこ読める文章と言うのは書ける。世の中には芸術やアバンギャルドな表現をするために逸脱しようとする輩もいるが、大半は失敗作である。スタンダードに見えてちょっと違う。それこそが味のある文章だと自分は思っている。

長いと思ったら、本意が失われない限界までおもいっきり削れ、短かったら、意味がちゃんと通るように肉付けしろ。それだけで文章というのは読みやすくなる。ちょっとした違いが後々効いてくる。