万年筆と紙の話

同人小説なんかを作っているので、下書き原稿の時には大量に字を書く。PCだと、目が途中で疲れてディスプレイを見るのも辛くなってしまう。だから、時間がない時以外はとりあえず万年筆を握る。ボールペンだと、筆圧が万年筆よりちょっと必要になってくるので長時間の筆記に耐えられない。

何故かわからないが、自分はペンで手書きの時は横書きだ。これが筆だったら、筆の運びの関係上縦書き以外ありえないんだけれども、やっぱりペンは西洋の物のせいか万年筆を使うときは横書きなのだ。

紙は、安くて量があり、そこそこペンの滑りがいいリーガルパッドを使っているのだが、それでも、微妙な相性があるので、色々なメーカーを試している。でもいまだにしっくり来るものがない。いいな、と思っても微妙な不満が出てくる。高ければ書き心地がいいかといえばそうではない、安物でもパフォーマンスのいいものもあれば値段同様の質もあるし。ペンに相性のいい紙を見つけるのは至難の業である。

日本人なんだから原稿用紙を使えばいいじゃないかという声もあるが、原稿用紙は一枚の紙に入れられる文字数は少ないし、マスに文字 “埋める” というのが苦痛でしょうがない。仕事の作文指導なら問題ないがプライベートでものを書くなら、やはり少しでもストレスの無い環境が優先される。趣味は楽しんでナンボの世界である。

理想としては、ホワイトボードにペンを走らせるレベルより僅かにざらついた書き心地があれば嬉しいのだが、紙なのでそうは行かない。つるつるし過ぎると文字の点画がぼやけて……ああ、難しい!!。

個人的に、自分が理想とする紙は。

  • よく滑る。
  • にじみが少ない。
  • なるべく罫線の幅が広い物(1cm以上)
といったところだ。紙質もあまり上質じゃない方がいい。そのほうが、さっさとゴミ箱に捨てやすいし、後腐れがなくていい。手紙を書く時は多少厚めで透かしなどが入ったものの方が、こっちとしても、ちゃんとしたものを書いている気にもなるのだが、下書き原稿は違う。紙を無駄にするくらい、どうでもいいことを書いて、そこからブラッシュアップしてPCに打ち込むのだ。

ペンで文章を書くというのは、どこか肉体を使っている感じがあって、タイプする時よりも脳味噌と指がつながっている感じがあるのだ。とはいっても時間がないときは直にタイプしちゃうんだけどね。