小説アンソロジーを編纂してみて思ったこと。
今回色々あって主筆としてアンソロジーを組むことになった。細かいことは今度頒布する同人誌の序文を読んで頂ければと思う。
本題に張るが、ぶっちゃけアンソロジー組むのって、好きじゃないとしんどいし、作業も割に合わないことも多い。主筆をやると
- テーマ立案
- スケジュール作成
- おおよその予算決め
- 人集め
- 依頼
- 進捗管理
- 編集
- 入稿
といったプロセスをたどるんだけど、今回は、各自の完成原稿待ちじゃなくて定期的に進捗確認して全体像把握したりしたから、締め切り周辺で原稿待ちしたりすると結構ヤキモキしたりした。人との相性ってのもあるから、とりあえず感情をニュートラルにしつつ、過剰に付加をかけないように気をつけたりとか、相手がどう感じたかは俺の知るところではないが、自分なりには気を使ったつもり。
労力の割にアンソロジーは売れるものではないし(自分で一冊仕上げられない人が、どうにか集まって統一感のない原稿を作ったり、クオリティコントロールができてなかったりという事例もあったりするので、ネガティブ要素が多いし博打要素も大きい)、自分自身、同人小説のアンソロはあまり手に取らなかったので、その分、いろいろな同人アンソロを読んで自分が感じたネガティブ要素を潰すように心がけたつもりではあるんだけど、実際読者がどう感じるかは読んでくれるまでわからない。
自分も幾つかの爆死事案を見てきたので、アンソロはやろうと思ったことは今までなかったんだけど、いろいろな巡りあわせで主筆になっちゃったんで、やるからにはとことんやろうと思って準備をした。元々やってみたい装丁とか、アンソロというものを『本として』組むことには興味はあったし、同人誌を編集することは嫌いじゃない。
今回声掛けした人は、初めてのアンソロで、むやみやたらに募集をかけられなかったのとクオリティーコントロールの意味も兼ねてうちのサークルの本を読んでくれていて、皆さん自前で同人誌なりWEB小説なりを完成させたことのある人(自分の代表作的な物がある人)に絞ったので、みんなそれなりの原稿を上げてきてくれた。
実際に主筆をやってみて思ったのは、主筆の面白みは編集権の行使だと思う。特に『本』を作りたい人にとっては、他人の原稿を見ながら、どういうふうに読者に提示しようとかそういったことを考えられた。自分も書いたけど、第三者の原稿を扱うから、客観的に色々見ることとができたし、色々と勉強になったし経験になる事も多かった。変わったことにチャレンジするのも時にはとても楽しいことだと思う。
ということで、ゴールデンウィークにうちのサークルのアンソロジーが、皆様の手元に届けられることを楽しみにしている。
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5/5 COMITIA 116 スペースNo. S 40a MOZA MOZA にて頒布。
220ページ(表紙含む) A5二段組ガンダレ(フランス)表紙 頒価:1500円
表紙イラスト 伊崎美悦
収録内容
高柳 総一郎 (代表作:必殺断罪人シリーズ)
『東京行きのぞみ最終便 京都発二十一時三十七分』
弥生 ひつじ (代表作:FOR YOU、アンドロイドは文学少女に夢を見るか)
『メアードを探せ』
志津 (代表作:義手に花束を)
『流れ、落日の果てへ』
獏 八重樫 (代表作:シルエットクライ、月花に捧ぐ)
『夜が明けるまで』
Q式 (代表作:迷宮のウルトラブルー)
『愚者の炎にくちづけを』
ロナルド 始澤 (主筆 代表作:The Smokeシリーズ)
あるべき時、あるべき場所で